明治初期の妻の地位
明治初年の妻の地位 ー婚姻届出制との関連におけるー 松本暉男 著 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jalha1951/1960/10/1960_10_111/_pdf/-char/ja 明治民法が施行される前にも夫婦の多くが夫婦同姓であったことは諸所のものから伝わってはきている。実際に当時どうであったかはここでも記載がある。 主に明治8~10年あたりの妻の地位として、松本暉男氏によると(上記資料134頁参照) 明治9年に太政官指令によって、妻は所生の氏を名乗ることと指令が出たが、 夫の族籍を取得し、夫の家に入って相続するときには違ったとある。 太政官指令 伺之趣婦女人ニ嫁スルモ仍ホ所生ノ氏ヲ用ユヘキ事 但夫ノ家ヲ相続シタル上ハ夫家ノ氏ヲ称スヘキ事 妻が夫の姓を名乗るときには入籍が条件とされたとある。 入籍を要件として妻の地位が確立してきたとある。 士族の夫婦別姓では妻は借り腹というだけであったが、 明治の庶民の妻は世帯の中核であり、家督を中継的に相続していたようだ。 実際に幕末から明治に活躍していた女性を見ても夫婦同姓は目立つ。 https://jacksnotebook2.blogspot.com/2021/03/httpwww.html そもそも庶民の夫婦同姓というのは明治にはじまったものでもない。 https://jacksnotebook2.blogspot.com/2021/10/100.html 前近代の一部士族のものこそ例外的であったと考えるべきかもしれない。 名字・苗字とは土地から取られているという説も強い。 それゆえに同じ場所に住むものの名乗る名とも言える。 氏姓は血族や役割を示すため夫婦でも別々とされる。 一部士族で苗字が氏化していったのは、同じ氏が増えすぎたのかもしれない。 また、単に氏姓と混同してしまっていたのかもしれない。 氏姓は与えられるものであり、名字は自然発生したものと言われる。 夫婦別姓同苗字というのが自然な形のようである。 --- ※今でいう夫婦同姓は夫婦同苗字のことを指します ※※明治以前は、氏・姓・苗字など複数ありました 庶民には苗字帯刀禁止が69年ほどの間だけありましたが、...