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姓と苗字の違い

加藤晃氏(「日本の姓氏」)はその違いを3つ主張していると坂田聡氏も説明している。 (1)姓は国家が外国文化を移植・導入して上から制定したものであり、 苗字は個々の武士の家が確立したことによって下から自然発生したもの (2)姓は天皇によって賜与される公的な名、苗字は私称するもの (3)姓は父系血縁原理で継承、苗字は家の名であり血族名ではない 姓氏が大陸からの導入に対して名字は国内で自然発生し、何らかの飛躍があったものと唱えている。 後藤みち子氏の著書からも同様に戦国時代に名字は家の名を私称するものであった旨が示されている。 このことは 民法起草者の梅謙次郎 氏が唱えるところと同じである。 明治にて姓氏苗字などが統合された中で、姓氏の方法に従うのはシナの慣習と示し、 実際の慣習にそむくとしている(「民法要義」巻之4(親族編)43頁)。   名字こそが日本で生まれた慣習である。 それは明治初期の民衆が太政官指令を受け入れていないこと、 別姓指令に対して混乱し、民法制定では混乱していないことからも明らかである。 別姓が日本固有と唱えることにも無理がある。 日本で発生したのは名字であり、姓氏は大陸から伝わってきたものであることは否定しようがない。 名字・苗字は家の名であり、夫婦同名字である。 日本は夫婦同名字文化の国である。 近代になって日本では姓氏名字を統一した。 今で言う夫婦同姓は夫婦同名字を指す。 近代以前は夫婦別姓同苗字などがあったわけだが、結果として日本では苗字に統一した。   ※苗字は江戸時代からの呼び方   (走り書きにて後ほど整理する予定)

明治以前の名字

 江戸時代後半の約70年ほど平民が苗字帯刀を禁止されていた。 しかしながら、 名乗っていなかったということではないことは今日では常識になっている。  歴史研究家らはその時期でも私称していたことを認めているし、疑いの余地はないとしている。  坂田聡氏も著書の中で、「江戸時代の一般庶民は果して苗字を持たなかつたか」(洞富雄著)の発表により、相次いで同様の発表があり、豊田武氏「苗字の歴史」も刊行され、近世の庶民が苗字を使用していたことに疑いの余地はないとしている。 大藤修氏の著書にも同様に、洞富雄氏の論考や私文書、寺院・神社などの記載などに庶民の苗字の記載により、江戸時代の苗字苗字帯刀禁止時期を含む近世での庶民の苗字の使用を認めている。 歴史専門家らは、そのときの庶民の風習が夫婦同苗字としている。 坂田聡氏は著書の中で夫婦同苗字は明治からの100年というわけではなく、500~600年前くらいだろうとしている。それはそれで一説と取れるが、更に昔からという説もある。 たとえば後藤みち子氏の「戦国を生きた公家の妻たち」によれば、戦国時代から夫婦別氏にして夫婦同名字であったと示している。 600~700年前くらいとしている。 それらは妻が婚姻後に生家姓を名乗ることがないため、中国などの別姓文化とは一線を画すとの言われるところである。中国では婚姻後の妻が生家の姓を名乗り続けている例が多く存在する。日本では妻が姓を名乗ることも少なく、婚姻後に生家の姓を名乗った史実はあまりない。それらによって夫婦別姓の歴史的史実はないとされる専門家もいる。 少なくとも明治以前にも庶民にも苗字があり、明治以前も夫婦同姓が主流であったであろうことは歴史専門家も認めているところである。 そのため、明治初期に太政官指令で夫婦別姓を出されても従わなかったことが伺える。   (走り書きにて後程修正する予定です)   ーーーー 参考文献 ーーーーーーーーーー 「日本人の姓・苗字・名前 人名に刻まれた歴史」 大藤修 著  「苗字と名前の歴史」坂田聡 著 「戦国を生きた公家の妻たち」後藤みち子 著  ほか